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相談:「会社の将来性が不安で転職したくなってきた」

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(英会話教室からの帰り道)ヤスオ:ケンジくん、ちょっと時間もらっていいかな?聞いてほしいことがあるんだけど。コーヒーとデザートおごるから、そこの喫茶店でどう?
ケンジ:ヤスオくん、構わないよ。それにしても最近、英会話教室であまり会わなかったから、もうやる気なくしてしまったんじゃないかと、実はちょっと心配してたんだ
ヤスオ:仕事がテンパっててね。でも、聞いてほしいのは自分の仕事というより会社のことなんだ。転職経験のある人の意見が聞きたくて。
ケンジ:僕でお役に立てることでしたら聞きますよ。じゃあ喫茶店に入ろうか

*==(喫茶店に入って店の隅の方に座った2人。ヤスオが相談事を切り出す)*==

ヤスオ:ちょっと漠然としているようで、相談というより愚痴に近いかもしれないんだけど、会社の将来性が不安になってきて・・・。会社の将来性ってケンジくんは、どう判断したらいいと思う?
ケンジ:会社の将来性は・・・。難しいよなぁ。一般的にいえば、業績の数字を見てということになるんだけど、ヤスオくんの会社はどうなんですか。
ヤスオ:売り上げははっきりいって伸びてないんだ。でも目立って減っているかというとそうでもなくて、ジリジリ減っている程度だから、それほどそういう意味では悪い会社ではない。でも内側からみるとだいぶ歪んできている面もあって・・・・
ケンジ:歪みってどのような?
ヤスオ:組織としてあんまりうまく回ってないと言えばいいのかな。まず50才前後の人が多くて、20~30代の人が少ないので、年齢構成がすごくいびつになっていて、上がつっかえてる感じが結構ある・・・
ケンジ:逆ピラミッドという感じ?
ヤスオ:そうそう。この会社で45才あたりを超えた人って、昔は同業他社に転職する人も少しはいたらしいんだけど、いま業界全体が停滞しているから、どこかに行こうという意欲もなくて波風立てずに会社にしがみついていようという感じなんだ。自分も将来ああなってしまうのかなとついつい・・・
ケンジ:そういう先輩が多いと雰囲気がよどんだ会社になるね・・・・
ヤスオ:あと、最近ショックだったのは、およそ1年前に、販売強化のために、事業部長の肝いりでeマーケティングの部署が設置されたのだけど、そのスタッフの人と飲む機会があったから話を聞いたら、結構ショックな話で
ケンジ:どんな話?
eマーケティングの責任者はSNSなど使ったこともない人なのに、スタッフに「おれはSNSなんか知らないけど、使えば客が集まるんだろ?とにかく何かページを作ってくれ」みたいに下に投げっぱなしな人なんだ。たった3人の部署なのに。期待の新部署かと思いきや、開発予算はまるでなくて、ただそれらしいFacebookのページを作ったりしただけで、大して新しい実験的なことなんて実はやっていないらしいんですよ。しかも事業部の予算未達を穴埋めするための、本来とは違う仕事までやらされてるらしくて、そこのスタッフの人もやる気がなくなってきていて
ケンジ:それは、事業部長が経営陣に対して「売り上げ強化の戦略的な取り組みもやってます」とエクスキューズ(言い訳)するための取り組みなのかもしれないな・・・
ヤスオ:事業部長はよその事業部から移ってきた人だけど、コストカッター的な人だという噂はもともとあった人なんだ。昔の方が、多少は失敗しても新しいことをやってみようという雰囲気があった気がするんだけど、今は課長クラスもみな萎縮してしまって、手堅いことしかやらないから、大失敗もしないけど、特に成功話もない、というような雰囲気だね。予算達成できない課長は、人を減らすなりしてとにかく利益を出せと事業部長から言われるらしい
ケンジ:ヤスオ君自身としては、いま一番仕事をしていて困っていることは何なの?
ヤスオ:後輩のモチベーションが低いことと、同じ課内で仕事ができる人とできない人の差が激しくて仕事量の配分がうまくいかないことかな。業界全体がいま苦しい時期だし、上の人が内向きになるばかりだから、若手が息苦しさを感じているのは、もうしょうがないかなとは思う。でも仕事の配分はかなり深刻で、僕らのような中堅どころは、仕事のできる人ほどどんどん仕事がアサインされて疲弊していく一方で、若手の面倒を見ている余裕がない。それでも、若手でもデキる人はなぜか育つんだけど、できない若手はあまり仕事をアサインされずに放置されるから全然育たなくて、差がどんどん開いてしまう。将来、10年か20年たった時に、今の50才前後の人たちが退職してくれたら、風通しが良くなると思うんだけど、人材層の薄さという問題もかなり出てくることは間違いない
ケンジ:そういう人事の問題は、社長や役員が注意していかないといけないことだよね
ヤスオ:役員は生え抜きなんだけど、社長は親会社から来る会社だから、社長が変わるたびに方針が変わって、それに合わせて役員も下に言うことが変わってしまうんだ。結局、子会社で経営に主体性がないということが、いろいろな問題の根本にあるような気もする
ケンジ:状況はわかってきたよ。それで、ヤスオくんは転職して、もっと安定的な経営をしている会社に行けたらいいということかな
ヤスオ:そこはあまり考えがまとまってないんだ。同業他社に移ったとしても、業界全体が厳しいからあまり変わらないかもしれないし、異業種に行くにしてもどんなところがいいのか知らないし
ケンジ:そっか。じゃあ、ちょっと正直に感じたことを言ってもいいかな。期待していたアドバイスとは違うかもしれないけど・・・
ヤスオ:そのつもりだよ。なんでも正直に言ってほしい
ケンジ:じゃあ・・・こういうとちょっときつく聞こえるかもしれないけど、転職する際には、ヤスオ君はこのままだと転職活動は苦戦すると思う。たとえば正直に「会社の将来性に不安を感じたから転職を決意しました」と面接で話すわけにはいかないからね。なぜだかわかるかな?
ヤスオ:うーん・・・・たぶん前向きな人には見えないよね
ケンジ:たぶんヤスオ君が、前の会社でどんな不安を感じたかを話せば話すほど、採用する人は警戒すると思う。「うちの会社に入ってもらっても、いろいろこんな感じでうちの会社のことも批判されてしまうんじゃないか」って。ヤスオ君自身が、どういう方向を目指しているかについてしっかりした考えがあって、その方向に沿う仕事をしたいから転職を決心した、という風に印象づけていかないと、すごく後ろ向きな考えの人だとみなされてしまう。僕自身は、ヤスオ君が忙しくても英会話学校にも来るとか、努力家だと思うし、後輩の状況など冷静に見ているなぁと思うけれど、結局、転職活動ってお見合いみたいなものだから、第一印象が大事なんだよね
ヤスオ:はぁ・・・・目指すキャリアか・・・正直いって目の前の仕事に追われて、あまりきちんと考えたことないんだよなぁ
ケンジ:キャリアというほど大げさなものでなくても、ポジティブな動機で転職活動しているという印象が伝わるような理由があればいいと思うよ。ちなみに転職エージェントに相談しても、ほとんどのエージェントさんは、普通はまず同業他社の会社を紹介してくるから、自分は同業種に行きたいのか異業種に行きたいのか、異業種ならどんな業種に行きたいのかもきちんと意思を固めた方がいい。でもどんな転職エージェントでも面接の時の答え方とか細かいことのアドバイスはしてくれる。ネガティブな動機でもどういう言い回しで話せばポジティブになるか、とかね
ヤスオ:転職エージェントかぁ・・・頼りになるかな?
ケンジ:あまり大きな期待をするのはよくないけれど、最近こういう会社からの求人が多いですよ、とか、話を聞くことで、自分の覚悟とか理解が深まるという面もあるからね。僕の場合は実をいうと最初に相談した転職エージェントは、いろいろ紹介はしてくれたけれど、給料が下がりそうなところばかりでさ、最初はぎょっとしたし、ガッカリしたことを覚えているよ。結局その転職エージェントさんのお世話にはならなくて別なところのお世話になったんだけど、最初がそんなだったおかげで甘い夢を見ないで、どういうことを考えてふだんから仕事や勉強をすればいいか、転職するなら何が譲れない条件なのかよりよく考えるようになったから、最初に現実を早く知れてよかったかなと今では思っている
ヤスオ:なるほどねぇ・・・ケンジ君はやっぱり前向きだなぁ。僕だったら、給料が下がるところばかり最初から紹介されたらめげちゃうな
ケンジ:あまり思いつめないで、人脈を増やす活動だと思って、転職エージェントとも付き合えばいいよ。ヤスオ君の会社が、ちょっと将来不安なのは僕も同感だけど、すぐに潰れるとかリストラされるとかそういう状況ではないから、そんなに急いで転職先を探す必要はないよね。考えがまとまるまで、まずは転職エージェントとかいろいろ社外の人とも情報交換して情報収集からしていったらどうかな。もちろん僕でよければまたいつでも相談に乗るよ
ヤスオ:おかげで参考になりました。転職支援会社にも登録して、エージェントにも会ってみるよ

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